特殊な薬液を使ってお花をきれいな状態のまま残すプリザーブドフラワー。
お店などでプリザーブドフラワーになった胡蝶蘭を買うこともできますが、お祝いなどでいただいたきれいな胡蝶蘭をご自身でかんたんにプリザーブドフラワーにできることはご存知ですか。
今回はきれいな胡蝶蘭をプリザーブドフラワーにする方法を紹介します。
1.プリザーブドフラワーとは?
プリザーブドフラワーとは、生花を特殊な薬液に漬けて加工することで、生花のようなみずみずしい美しさを数年単位で保てるようにした花のことです。
「プリザーブド」には英語で「保存する(Preserved)」という意味があり、プリザーブドフラワーは「長期的に保存できる花」というような意味合いになります。
1-1.造花やドライフラワーとの違い
見た目からプリザーブドフラワーと似たイメージを持ちやすい「造花」や「ドライフラワー」ですが、それぞれ以下のような違いがあります。
プリザーブドフラワー | 生花を薬品で加工したもの。生花に近い美しさを長期間楽しめる。 |
造花 | 布やプラスチックを使って、人工的に花のかたちを作ったもの。生花では見られないような色や柄のものもある。 |
ドライフラワー | 生花を乾燥させたもの。長期保存が可能になり、独特な質感がある。 |
胡蝶蘭のドライフラワーの作り方もこちらの記事で紹介しています。
1-2.プリザーブドフラワーにするメリット
胡蝶蘭をプリザーブドフラワーにするメリットは、数年間にわたって、生花らしいきれいな胡蝶蘭の美しさを楽しめる点です。
胡蝶蘭は花が落ちた後、次のシーズンでまた花を咲かせるためにしばらくお休みの期間に入りますが、咲いた花をドライフラワーにすることで長い期間胡蝶蘭のお花を楽しめます。
また、一度購入したり、作ってさえしまえば、プリザーブドフラワーにした胡蝶蘭は水やりや植え替えなど、保管にはほぼ手間はかかりません。とても嬉しいメリットですね。
2.プリザーブドフラワー胡蝶蘭の作り方
最後に、自分の手で生花からプリザーブドフラワーの胡蝶蘭を作る方法をご紹介します。
とても簡単なので胡蝶蘭のプリザーブドフラワーを作ってみたいという方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
用意するもの
作業に入る前に、以下の必要物を手元にそろえておきましょう。
・胡蝶蘭の花
・はさみ
・密閉できるフタ付きの容器
・新聞紙、ビニール製の手袋(薬液による汚れや肌荒れを防ぐため)
・ピンセット
・乾燥に使用するバットなど
・プリザーブドフラワー専用の薬液
※ホームセンターや手芸店で購入可能
2-1.まずは花を切り取る
まずは、プリザーブドフラワーにする胡蝶蘭の花を、茎を2cmほどのこして切り取ります。
胡蝶蘭の花を選ぶうえでのポイントは薬液で脱色しても花びらが破損しないように、みずみずしくしっかりした花を選ぶのが好ましいです。
2-2.切り取った花を専用の液体に沈める
花が用意できたら、手袋をして密閉容器にプリザーブドフラワー専用の薬液を流し込み、そこに胡蝶蘭の花をピンセットでゆっくりと沈めていきましょう。
花がすべて薬液に隠れるように沈めたらフタをして、1~3日間ほど待ちます。
なお、薬液には1度の漬けこみで「脱水・脱色・着色・保存」まで行ってくれるものあれば、別の薬液に段階を踏んで付け込むことで、上記4つの工程を行えるものもあります。
胡蝶蘭を漬けこむ期間や回数は、使用する薬液の説明に従ってくださいね。
時々花を引き上げて様子を見て、花が十分に薬液を吸い上げ、全体に行き渡った状態になったらOKです。
2-3.花を取り出して、よく乾燥させる
胡蝶蘭の花に薬液が行き渡り、漬けこみが終わったら、花を乾燥させます。
崩れないよう慎重に、よく水気を切りながらピンセットで取り出し、バットなどの上に胡蝶蘭の花を置いて24時間ほど自然乾燥をさせます。
乾燥させる間の型崩れが心配なときは、吊るしたり、剣山を使うなどして対策しましょう。
胡蝶蘭の花が完全に乾いたら、プリザーブドフラワー胡蝶蘭の完成です!
3.長くブリザードフラワーを楽しむための注意点
プリザーブドフラワーは生花より乾燥した質感でパリパリなので、非常に脆く衝撃を与えると破損しやすいです。
また湿気と直射日光が苦手で、湿気の多いところに置いておくとカビが生えてしまったり、直射日光に長時間当てているときれいな色が退色してしまいます。
できるだけ長く、美しい状態でプリザーブドフラワーを楽しみたいなら、玄関やリビングなど、湿気と直射日光を避けられる場所に置くようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
きれいな花を数年も楽しめるプリザーブドフラワーの胡蝶蘭には、生花とはまた違う魅力があります。
購入はもちろん、手作りでも楽しめますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください