ご葬儀に胡蝶蘭を贈るときのルール・マナーとは?

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お祝いのお花で選ばれることの多い胡蝶蘭ですが、ご葬儀の供花としても贈ることのできるお花です。胡蝶蘭は、見た目が非常に美しく品があるお花として知られています。その凛とした佇まいが故人を偲ぶのに相応しいとされているのです。

ただし、そのまま贈ってよいのか、ご葬儀の場で注意するべき点やマナーなどはどのようなものがあるのか、不安に思う方も多いかもしれません。そこで今回は、供花に胡蝶蘭を選ぶ際の注意点や、立て札の書き方、なぜ胡蝶蘭が選ばれるのかその理由も合わせてご紹介します。

1.ご葬儀の供花に胡蝶蘭が選ばれる理由

品があり見た目にも美しい胡蝶蘭は、お祝いのシーンでよく選ばれるお花です。おめでたい席でしか贈ってはいけないと思われることが多い胡蝶蘭ですが、実はご葬儀の供花としても選ばれています。

そもそも供花とは、遺族や故人の親しい関係にあった方々が、故人の冥福を祈って贈るお供えの花のことです。供花に相応しいお花としては、トゲがないこと、四十九日までは白いお花を選ぶなどの条件があります。

胡蝶蘭は、トゲもなく白色の胡蝶蘭もあるため供花に相応しいお花だといえます。お花によってはトゲがなく白色であっても、途中で萎れたり色褪せたりすることがあります。お花の生命力が弱いと葬儀で印象が悪くなってしまうことがありますが、胡蝶蘭は非常に花持ちの良いお花です。お線香の煙や、気候が厳しい時でも上品な姿を保ってくれる点も供花として相応しいお花といえるでしょう。

さらに、胡蝶蘭はサイズも豊富なため、置き場所に適したサイズのものを選んで贈ることができます。また、お手入れも簡単なので、慌ただしいご葬儀でも手がかからない点も胡蝶蘭が選ばれる理由のひとつです。

胡蝶蘭

2.ご葬儀の供花に胡蝶蘭を選ぶ際の予算相場

ご葬儀の供花に胡蝶蘭を選ぶ際の予算相場は、故人とどれだけ親しかったか、お世話になったかなど関係性の深さによっても異なります。ただし、一般的な予算は15,000円〜30,000円ほどで、法人でも個人でも共通の相場となっています。

ご葬儀に参席するかしないかによっても、予算が異なることが多いです。あくまでも目安のため、あまりにも豪華すぎてご遺族に負担になってしまうようなことは避けましょう。

【贈る相手別の予算の目安】

・ご家族やご親戚 15,000円〜30,000円

・友人や知人 10,000円〜15,000円

・仕事関係や取引先(一般) 10,000円〜20,000円

・取引先(重要) 15,000円〜30,000円

また、親戚の間や団体のルールなどで供花のおおよその予算が決まっていることもあります。親族の年長者や、上司などに一度確認しておくと安心です。

供花の設置場所は、故人と関係が近い人から、または高価なものから順に会場の上座にある祭壇近くに並べられます。相場をしっかりと守っていなければ、故人と近い関係の方や遺族を差し置いて飾られることになってしまい、遺族に対して大変失礼にあたります。ルール違反にならないように、予算の相場はしっかりと確認して守るようにしましょう。

胡蝶蘭

3.ご葬儀の供花に胡蝶蘭を選ぶ際の注意点

ご葬儀の供花に胡蝶蘭を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。故人の冥福を祈るためのお花なので、マナーをしっかりと守って贈るようにしなければなりません。また、ご遺族の気持ちにも寄り添えるような胡蝶蘭を贈るようにしましょう。

3-1.胡蝶蘭の色

ご葬儀の供花を選ぶ際は、四十九日までは「白あがり」がマナーとなっており、白い色の胡蝶蘭を選ぶことが一般的です。胡蝶蘭の大きさは少し大きめのもので大輪だと見栄えも良いでしょう。

四十九日を過ぎると、色のあるお花を贈っても構いません。急に鮮やかな色のものを選ぶよりは、淡いピンクや黄色など少しずつ温かみのある色を選んでいくことで、ご遺族にも喜ばれるはずです。四十九日以降に、ご自宅へ贈る場合には、あまり大きな胡蝶蘭だと置き場所に困ることも考えられます。このような場合には、場所を選ばないミディ胡蝶蘭などがおすすめです。

胡蝶蘭

3-2.ラッピングの色

ご葬儀でお花を贈る際には、ラッピングの色にも気をつけなければなりません。基本的には、控えめで落ち着いた色の包装紙を使用し、リボンは一つ結ぶ程度にします。ラッピングは派手にしないことが何よりも大切です。包装紙の色に関しては、お悔やみ用として淡い紫色を選ぶことが多いです。

ラッピングの色やリボンなど、どうしたらいいか迷われる方はお花屋さんや通販サイトでも問い合わせて相談することもおすすめです。ご葬儀の供花用だと伝えてお任せすることで、安心して贈ることができます。

4.立て札の書き方

供花として胡蝶蘭を贈る際には、立て札をつけることがマナーとなっています。立て札は、誰から贈られたものかがすぐに分かるようにするためのものです。供花につける立て札には、贈り主の名前のみを記載します。お祝いごとでは、相手先の名前を記載しますが、供花の場合は贈る自分の名前だけです。間違っても故人の名前を記載しないように注意しましょう。

会社から贈る場合には、会社名と代表者名、または会社名と部署名一同と記載します。親族で贈る場合は「子供一同」や「〇〇家」といった連名で記載にしても構いません。

表書きに関しては「御供」「供」「供花」などの記載がありますが、わからない場合は葬儀社に確認すると安心です。一般的には「供」が多いですが、どの記載でもマナー違反ではありません。ご葬儀に関する立て札は、派手な記載はせずにシンプルを意識して記載すると間違いないでしょう。立て札が完成すれば、胡蝶蘭の鉢に立てて贈ります。

また、メッセージカードを添えることも可能です。ご葬儀の供花にメッセージカードをつける場合には、時候の挨拶は省略しても構いません。すぐに本文から書いてもマナー違反ではないため、故人との思い出やお悔やみの言葉などを綴りましょう。最後には贈り主の名前も記載することを忘れないでください。

メッセージを書く際の注意点としては「死」に直結するような表現は避けることです。そのほかの不吉なことを連想させてしまう「忌み言葉」も使用しないように注意してください。

死や不幸を連想させる
追う 継続すること連想させる
度々 繰り返すことを連想させる
四苦八苦 苦しみを表す言葉である

まとめ

お祝いのシーンだけでなく、ご葬儀の供花としても選ばれている胡蝶蘭。トゲがなく花持ちの良い白い胡蝶蘭は、品もあるため供花に相応しいお花として選ばれることが多いです。

ただし、供花を贈る際には、注意点やマナーがいくつかあるため、しっかりと確認して失礼のないようにしなければなりません。

故人への思いだけでなく、突然の不幸で悲しみに暮れているご遺族への配慮もできるような供花を贈るようにしましょう。

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