胡蝶蘭の種は見たことがない。その理由は?

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胡蝶蘭の種と言われてもあまりピンとはこないですよね。

お店で胡蝶蘭の種が売ってるのも見たことないですし、そもそも胡蝶蘭に種があるの?と思う方もいるかもしれません。

この記事では胡蝶蘭の種について解説します。

1.そもそも胡蝶蘭に種ってあるの?

実は胡蝶蘭にも他の植物同様、種はあります。結実すると花の付け根の部分に実ができ、そこから種を採ることができるようになるのです。

ただしこの種を他の植物のように蒔いても、育つことはありません。

1-1.種を蒔いても育たない理由

胡蝶蘭の種を蒔いても胡蝶蘭が育つことはありません。

その理由は胡蝶蘭の種が無胚乳種子という種類のもので、自分の力で発芽することができない種だからです。

そのため種から育てたいという場合、ガラス器具の「フラスコ」の中に栄養分がとりやすい環境を人工的に作り出し、その中でで発芽させる必要性があります。

この種から発芽させる培養期間に2年もの時間を要します。

このように種から胡蝶蘭を育てるのは簡単なことではないため、胡蝶蘭の種が売られているというようなことは基本的に見かけることがないのです。

1-2.発芽から人のもとに届くまで

胡蝶蘭はフラスコ内で発芽をさせてからお店に並ぶような商品になるまで長い年月がかかります。

フラスコ内で発芽をさせた胡蝶蘭の苗はミズゴケなどへの植え替えを何度も繰り返した後、やっと開花可能な苗になります。

この時点で、胡蝶蘭は成長に適した台湾などの温暖な地域に一度輸出され、そこから十分な大きさに成長するまで約20ヶ月ほど育成されます。

その後、十分に成長してからもう一度生産者の農場に戻り、最後に大きな鉢に植え替えた苗が十分に根付くまで栽培を続けます。

仕上げとして、「低温処理」という開花の調整を行って私達がお店で見かける胡蝶蘭になるのです。

2.現在はクローンを作り出すのが主流

上記の通り、胡蝶蘭を種から作り出すというのはとても大変なことです。

そのため現在は胡蝶蘭を種から発芽させて数を増やす方法はあまり行われておらず、種を使って発芽させるのは品種改良や新しい品種(交配種)をつくるためだけに行われています。

現在の主流は綺麗な胡蝶蘭のクローンを生み出すことにより数を増やしています。

綺麗で丈夫な株のクローンを増やすことで、良い花を咲かせる株を安定的に増やしています。

その方が安定的な胡蝶蘭の供給が可能になり、低価格を実現できるのです。

3.胡蝶蘭を育てたい場合は苗から

個人で種から育てるのは100%不可能とは言いませんが、上述してる通りかなり難しいです。

ただし、苗からであれば比較的入手しやすく1000円台で購入することもできます。

ただ苗からでも他の花に比べたら育成はとても大変なお花です。

自分で苗から育てることで改めて胡蝶蘭の販売価格や価値に納得ができると思います。

 

まとめ

胡蝶蘭の種について解説しました。

種から育てるのは非常に大変なため、現在ではクローンが主流でとなっています。

種から育てたいと思われる方もいるかもしれませんが、個人で育てるには設備的にも期間的にもかなり大変です。