皆さんは「デンファレ」というお花をご存じでしょうか?デンドロビウムの一種でありながら花の咲き方や形が胡蝶蘭に似ておいることから、母の日のプレゼントとしても人気のお花です。
ただ、メジャーなお花というわけではないので、デンファレをプレゼントとしてもらった際、「このお花はどうやって育てていけばいいのだろう?」と困る方もいるかもしれません。
この記事では、デンファレの特徴や花言葉、育て方などについて紹介します。
1.デンファレとは
「デンファレ」というのは実は略称で、本名をデンドロビウム・ファレノプシスといい、ラン科デンドロビウム(セッコク)属の着生植物です。
胡蝶蘭のような見た目と、名前に胡蝶蘭のファレノプシスと入っていることから、デンドロビウムと胡蝶蘭の交雑種と思われがちですが、実際にはデンドロビウム・ビギバムという原種をもとに交配してできてきたお花のため、胡蝶蘭とは花の形が似ているだけで別種です。
低温を苦手としており、生花としては主に6月から9月の気温の高いときに販売されていることが多いですが、切り花としては季節を問わず一年中出回っています。
学名 | Dendrobium phalaenopsis |
科・属名 | ラン科 / セッコク属(デンドロビウム属) |
英名 | den phal cooktown orchid |
原産地 | ニューギニア、北部オーストラリア |
開花期 | 6~9月 |
花の色 | 白、ピンク、黄、水、薄紫など |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
2.デンファレの花言葉
デンファレの花言葉は「お似合いのふたり」「わがままな美人」「有能」「魅惑」です。
デンファレは着生植物なので、樹木やその樹木を覆っているコケに根をつけます。その姿が樹木に寄り添っているように見えることから「お似合いのふたり」という花言葉がつけられています。
両親の結婚記念日へのプレゼントや、パートナーにピッタリのプレゼントになります。
3.デンファレの種類や品種
デンドロビウム・ファレノプシス
鮮やかな紅紫色の花が特徴で、デンファレの原点ともいえる交配親にもなっている品種。デンドロビウム・ファレノプシスを元に約45,000ほどの園芸種が誕生しており、それらをまとめて「デンファレ系(ファレノプシスタイプ)」としています。
デンドロビウム・ビギバム
オーストラリアやニューギニアを原産地とし、白色や紫色の花を咲かせます。
主に小型種の交配親として活躍している品種で、本種から「ミニデンファレ」と呼ばれる園芸種が約1万種ほど誕生しています。
デンファレ・エカポールパンダ
鮮やかな紅紫色に白色が入っている、デンファレ系の代表的な品種です。
デンファレ・ペガサスピンク
1輪が直径4cm程度の中輪種で、派手すぎず、可愛らしいピンク色の花を咲かせる品種です。
デンファレ・エマホワイト
胡蝶蘭のような純白が美しい品種です。白色なのでシーンを選ばず、献花や供花としても利用されます。
4.デンファレの育て方のポイント
4-1.栽培環境・置き場所
デンファレは寒い環境が苦手なので、1年を通して暖かい環境を好みます。
できるだけ葉を落とさないように管理することが重要で、15度を下回ると葉が黄変し、ぱらぱらと落ちてきます。室内に入れるなどして寒さの対策をしてあげましょう。
冬の寒さでも葉が緑色でしっかりとしていれば、温度面での心配はないと思ってください。
日当たりが好きなので、一年中よく日の当たる場所に置いてあげましょう。葉焼けには比較的耐性のある品種ではありますが、葉焼けのリスクは0ではないので、外に置くときは軒下に移動させるか、日よけを立てるなどして直射日光を避けるようにしてあげましょう。
4-2.水やり
5月の気温が高くなる頃から9月いっぱいまでの生育期は、水をたっぷりあげましょう。ただ、根の吸水力が弱く、根元の乾ききらないうちに水をやると根腐れしやすいので、「水をあげすぎかも?」と思うときは葉水などで様子を見てください。
10月以降は控えめで、やや乾かし気味でも大丈夫ですがカラカラにさせてはいけません。
4-3.肥料
4月中旬頃に緩効性化成肥料を施します
水と同様に、5月から9月の生育期は、液体肥料を週に1回ほど施しましょう。9月以降は肥料はまったく必要ありません。
4-4.植え替えの時期とその方法
植え替えは新芽が育ち始め、やや気温が上がってくる4月中旬から5月頃、または花が咲き終わってすぐの暖かいうちに行いましょう。
植え替えの頻度は少なくとも約2年に1回は行ってください。
植え替えのやり方は鉢植えから株を取り出して、水苔を丁寧にはぎ取り、枯れたり黒くなって腐っている根は全て火で炙って消毒した切れ味のいい園芸用のハサミなどで切り落とします。
黄茶色に変色したバルブはすでに役目を終えているため、清潔なハサミで根元から切り取りましょう。
これらの作業が終わったら、新しい鉢に植え込み材を詰めて、植え替えれば完了です。
4-5.害虫・病気
害虫
害虫で気をつけるべきなのは、カイガラムシです。一度発生すると大量発生をすることから完全に駆除することが難しい害虫です。
カイガラムシはデンファレの養分・水分を吸い取りますので、発見した場合はこすり落とすだけでなく、カイガラムシに有効な薬を必ず散布する事が必要です。
見つけた際は綿棒などでこすり落とし、こすり落とした後に、カイガラムシに有効な殺虫剤(スプラサイト、オリオン等)を駆除方法に準じて行ってください。
病気
病気で気をつけたいのは、炭そ病です。炭そ病は胡蝶蘭の葉に黒色の斑点が出来る病気で、最初は淡い褐色の小さな円形斑点ですが、だんだんと拡大していき、黒褐色になります。
炭そ病を見つけた場合は、葉の患部を切り取り、糸状菌に有効なダイセン、ダコニールなどの薬剤を散布して下さい。
まとめ
デンファレについて紹介させていただきました。
プレゼントにもぴったりで洋蘭のなかでは比較的、栽培が簡単なお花でもあります。
プレゼントだけではなく、自分で洋蘭を育ててみたいと思っている方にもぴったりなお花なので、興味のある方はぜひ育ててみてはいかがでしょうか?

カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください