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シュンラン(春蘭)ってどんな蘭?シュンランの特徴や花言葉、育て方を解説

シュンラン

シュンランという蘭をご存じでしょうか?

日本や中国に自生をしている蘭で、春のお祝いでのギフトとして選ばれるお花でもあります。

この記事ではシュンランはどういうお花なのか、またシュンランの持つ花言葉や育て方などを紹介します。

1.シュンラン(春蘭)とは

シュンランは、日本や中国に分布する野生の蘭。日本では、北海道から九州にかけ、低い山でごく普通に見ることができます。

漢字では「春蘭」と書き、名前の通り春に花を咲かせます。人里近くの雑木林や傾斜地などに自生し、3〜4月が開花期です。

大きさは、地面から細長い葉が生えて10〜25cmほどになります。そして葉の間から1本の茎をのばして、淡い色の花を一輪咲かせます。花の大きさは5cm前後であまり大きくはありません。

また、咲き始めの頃は少し香りを放つ種類もありますが、基本的には香りがほとんどしないか、かなり弱めです。大きな蘭ではありませんが、葉の陰に隠れて可愛らしく咲くところが魅力でもあります。

さらに、シュンランの魅力のひとつに珍しい個体があるということです。基本的には暗めの朱色や黒が強めの紫色などの色素が強いのですが、赤紫の色素を持たない個体もあります。花の色だけでなく、葉の形や模様などの変化が多い特徴を持っており、珍しい個体を野生から見つけるという趣味を楽しむ方も多くいます。

シュンランは昔から、山野でごく普通にみられていたため、生活にも取り入れられていた身近な植物です。そのため、地域によってさまざまな呼び名があります。よく言われているのが「ジジババ」「ホクロ」などで、花びらにある斑点が老人の顔にあるシミに見立てて名付けられたようです。

シュンラン

2.シュンランの花言葉

シュンランの花言葉は「飾らない心」「控えめな美」「気品」「清純」など。

「飾らない心」はまだ肌寒い3〜4月に野山の薄暗いところにひっそりと咲く姿が由来です。さらに、少し奥ゆかしさも感じさせる横向きに咲く花、ということも関係しています。

また、シュンランは色も暗めの色が多くあまり目立ちません。一般的なランは花弁に特徴を持っており、どちらかというと目立つ花です。そんな中で、見た目が地味な姿には「控えめな美」という花言葉もつけられています。

そのほかの「気品」や「清純」は、暗く目立たない場所でもしっかりと咲くことに由来しているようです。シュンランは、茎が細くて華奢な見た目なため「気品」や「清純」のようなイメージがつき、このような花言葉がつけられたのではないかとされています。

シュンラン

3.シュンラン属の仲間

シュンラン属もいくつかの種類があります。

カンラン

代表的な東洋蘭。シュンランと同じく古くから親しまれています。日本の暖かい地域に自生していましたが、最近ではほとんどみられない種類です。東洋蘭の中では、大きめで、細長い葉から茎を伸ばしていくつも花を咲かせます。花の香りが強いことも特徴のひとつです。

カンラン

スルガラン

スルガランもシュンランのように古くから親しまれている種類です。夏から秋が開花期となっていて、日本の南部、中国やインドなどに自生しています。名前にスルガとついていることから原産地は中国なのではないかといわれています。見た目はシュンランに似た形をしており、緑褐色の花をひとつの茎に数輪咲かせる可愛らしい花です。

コラン

熊本県の固有種で、栽培が少し難しい種類です。見た目はスルガランに似ていて、夏の終わりから秋頃に咲きます。色は緑色に少し褐色がかった更紗模様があり、落ち着いた色合いです。産地によって呼び名が違い「サツマコラン」や「アマクサコラン」などと呼ばれています。

ヘツカラン

ヘツカランは鹿児島県の一部の地域や、中国南部などでみられます。特徴は他の植物に着生して育つことです。細めの葉と、花茎の先に10個ほどのシュンランに似た花をつけます。色は白で、中心部は赤色をしており10月〜11月頃が開花期です。また台湾などには、「カンポウラン」と呼ばれる似たような種類があります。

ヘツカラン

ナギラン

関東地域南部の、主に広葉樹林帯に生える小型の蘭。数が少なくなっており、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。細いバブルの先端に葉を広げて白い花を数輪咲かせます。6月下旬〜7月中旬までの初夏が開花期です。 

ナギラン

アキザキナギラン

九州の南部や対馬などにみられる種類。少し大型のナギランに似た種類です。緑色の花を数輪から10輪ほど咲かせます。名前の通り10月〜11月の秋頃が開花期ですが、国内ではあまりみられず希少です。しかし、近年は台湾などでも販売されるようになりました。

4.シュンランの育て方のポイント

4-1.栽培環境・置き場所

よく陽が当たる場所よりも、木漏れ日程度の明るさを好みます。さらに風通しの良いところを好むので通気性のいい場所を選びましょう。長時間直射日光に当たると葉っぱが傷んでしまうので注意が必要です。

4-2.鉢植えと用土

 鉢植えか、地植えにして苗を育てます。植え付けに良いとされる期間は4〜6月頃です。どちらの植え方でも、根本が膨らんでいるバルブを半分ほど埋まるように植えましょう。

土は、水はけがよく通気性の良いものを選びます。地植えは、よく掘り起こして桐生砂などを混ぜておくと水はけを良くしてくれます。

また鉢植えは、小〜中粒くらいの硬質鹿沼土を8割、残りの2割を軽石にして混ぜ合わせます。そのほかでは、販売されている蘭専用の培養土などを使用しましょう。

4-3.水やり

土壌は乾燥気味を好むので、水の与え過ぎには注意が必要です。また、湿気は根腐れの原因になります。鉢植えの場合は、土の表面が乾いているのを確認してから水を与えるようにしましょう。地植えは、水を与えずに自然の天候に任せて構いません。

4-4.肥料

肥料は年に2回ほど与えます。まずは、新芽ができる4〜6月頃です。油かすと骨粉を同じ量で混ぜ合わせたものを与えます。もしくは簡単に洋蘭用の肥料を購入して、株元に置きましょう。次は、芽が充実する秋頃の9〜11月にも同じように与えてください。また、10〜15日間隔で液体肥料を与えるとさらに効果的です。

4-5.病気

シュンランだけでなくラン科の植物は、病気にかかりやすい性質があります。特にウイルス病にかかりやすく、葉にモザイク模様やムラがあれば病気にかかっているサインです。この場合は、病気になっている部分をすぐに切り落とすことで拡大を防ぐことができます。

4-6.害虫

害虫の中でも特にアブラムシに注意が必要です。花が咲く頃によく発生し、栄養を吸って株を弱らせてしまいます。また、アブラムシの排泄物でウイルス病を引き起こす恐れがあります。見つけたらすぐに薬剤を撒きましょう。

4-7.植え替えの時期とそのやり方

植え替えは頻繁には行わず2〜3年に1回で構いません。根詰まりを防ぐ目的で1回りほど植え替えましょう。時期に関しては、植え付けと同じ4〜6月頃が適期です。手順も植え付けと同様に行います。その際、腐った根や枯れた葉っぱなどがあれば全て取り除いておきましょう。

4-8.シュンランの増やし方

株分けは植え替えの際がいいタイミングです。大きな株になったものを選んで株分けします。その際は、必ず新しい芽がある、バルブが2〜3個ついた状態のものを分けます。植え付け方法は、バルブが1〜2cm埋まる位が良いでしょう。株分けの時にはハサミやナイフを使用して切断しますが、切り口から病気が入らないように気を付けましょう。

シュンラン

まとめ

シュンランは育てるには少し手間がかかりますが、落ちついた色の花を毎年咲かせてくれるとても希少な蘭です。慣れてくれば、自分で交配してオリジナル品種を生み出すことも可能です。見た目の美しさだけでなく、さまざまな楽しみ方ができるシュンランをぜひ育ててみましょう。