胡蝶蘭にできる黒い斑点は病気?黒い斑点以外の胡蝶蘭の病気も解説!

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胡蝶蘭の葉になにか黒い斑点がついている。これってもしかして何かの病気?と気になりますよね。

この記事では胡蝶蘭にできる黒い斑点や、胡蝶蘭の病気について解説します。

1.胡蝶蘭の葉が黒くなるそれぞれの原因とその対処法

1-1.葉焼けによって黒くなる

葉が黒くなってしまうのは葉が直射日光に当たることで起こる葉焼けという火傷のような症状です。

直射日光に当たると起こるので、置き場所はレースのカーテン越しに陽の光が当たるような場所が理想です。

葉焼けかどうかは、「黒くなる→乾燥する→茶色や白へと変わる」という変化の過程でわかります。

また、葉焼けした部分から病気になってしまったり、葉全体が黒くなってしまう場合もあります。

葉が黒くなってしまった部分は、火炙りで消毒した切れ味のいいのハサミで切りましょう。その後は、しっかり直射日光の当たらない場所で保管してください。

1-2.寒さからくる凍傷

寒さからくる凍傷によっても葉が黒くなる可能性もあります。

冬の10度以下になるときなどは、室温に注意してあげましょう。

また、凍傷による症状は「1-4.根が黒くなって、葉がぶよぶよになっている」にでてくる軟腐病や褐斑細菌病とも似ているため注意が必要です。

凍傷の場合は温かい環境においてあげれば別段問題はありません。

1-3.黒や褐色の斑点ができている(炭そ病)

黒や褐色の斑点ができている場合は、炭そ病という病気の可能性が高いです。

最初は小さな斑点がだんだんと大きくなり、次第に褐色の斑点の周りが黒くなっていきます。

炭そ病になる原因としては、葉焼けなどによって胡蝶蘭が弱ってしまうと発病しやすくなってしまいます。

炭そ病の疑いがある場合は葉の斑点の周りの部分を少し広めに、火で炙った切れ味のいい清潔なハサミで切り取ります。

切り取った部分には、「ダイセン」や「ダコニール」などの糸状菌に有効な薬を塗りましょう。

1-4.根が黒くなって、葉がぶよぶよになっている

根が黒くなり、葉がぶよぶよしている場合は、軟腐病や褐斑細菌病の可能性があります。

軟腐病

葉に水に濡れたような斑点ができ、やがて淡褐色に変化し、非常に強い腐敗臭を放ちながら腐敗する病気です。

腐敗部分は柔らかくブヨブヨしており、手で触れると組織が破れてたくさんの軟腐病細菌が入っている水が出てきます。細菌は撒いた水の中を泳いで拡散し、乾燥すると埃のように風に乗って飛び散ります。

対処法はまず、葉に小さな水に濡れた感じの斑点を見つけたら、火炙りして消毒したハサミかカッターで大きめに切り取ります。

その後、切り取った部分と周辺の株に「スターナ」や「ナレート」などのバクテリアに有効な農薬、または台所塩素系殺菌剤(キッチンハイター等)の原液を塗布します。

この病気は感染力がとても強い為、作業に使ったハサミやカッター、園芸道具、手袋等も消毒してから他の胡蝶蘭の作業をするようにしましょう。

褐斑細菌病

軟腐病に似た症状で、葉に水に濡れたような淡褐色の斑点の発生から腐敗が進みます。バクテリアによるもので、高温多湿の環境下に置いていると病気があっという間に進行し、葉全体を腐敗させてしまいます。

対策としては軟腐病と同じ方法で葉に小さな水に濡れた感じの斑点を見つけたら、火炙りして消毒したハサミかカッターで大きめに切り取ります。

その後、切り取った部分と周辺の株に「スターナ」や「ナレート」などのバクテリアに有効な農薬、または台所塩素系殺菌剤(キッチンハイター等)の原液を塗布します。

軟腐病同様、感染力が強い為、作業に使ったハサミやカッター、園芸道具、手袋等も消毒してから他の胡蝶蘭の作業をするようにしましょう。

2.葉が黒くなる以外にも気をつけたい胡蝶蘭の病気

2-1.灰色カビ病(ボトリチス菌)

症状と原因

花にシミのような小さい褐色の斑点が発生し、放置しておくと成長に伴って斑点が大きくなり、灰色や緑灰色のカビが発生します。

胡蝶蘭の栽培環境として低温多湿(気温18℃前後、湿度100%)の状態が続くことで、空気中に飛散している「ボトリチス菌」というカビが発生します。そして胡蝶蘭の組織内に入り込むことで成長を続け病気になります。

対処法

病変を見つけたら該当部分を切り取り、湿度が低い場所に移動させて花や葉がすぐ乾く環境にしましょう。

この病気は胡蝶蘭の栽培環境を見直すことで予防ができます。多湿の時は除湿器やエアコンで室内湿度を下げ、カビの発症を防ぎましょう。春から秋の多湿な時に加湿器を使ったり、晴天時や暖房中以外に花への霧吹きを過度に行うことはカビを発生させる原因になるので避けましょう。

2-2.フザリューム立ち枯れ病

症状と原因

フザリューム菌による感染により、急速に葉が黄変、脱水状態になることで下葉から落ちていく病気です。茎や根に感染することもあります。株の一部に現れた場合、切除して植え替えが必要になります。

長時間水滴をたまるなどで葉が蒸れて、フザリュームというカビ菌に感染することが原因です。

対処法

対処法は風通しの良い蒸れのない場所に置き、「タチガレン」「リドミル」などの薬剤を塗布することです。

葉だけではなく茎や根にも感染がある場合は、その部分を切り取り、植え替えをしましょう。

2-3.リゾクトニア菌による立ち枯れ病

症状と原因

リゾクトニア菌は根に感染します。根を調べて黒く腐った部分があれば、まずこの病気と考えます。

十分な水をあげていても、根が病気に侵されているので葉に艶がなくなり枯れてしまいます。水のあげすぎによる根腐れは胡蝶蘭を枯らしてしまう原因として有名ですが、原因のほとんどはこのリゾクトニア菌によるものです。

水のあげすぎや、受け皿に水がたまったまま残すなどは、この立ち枯れ病を引き起こす原因となるので気をつけましょう。

対処法

早い時期に腐った根を切り落として植替え、環境を整えることで回復する可能性はあります。

初期症状では葉に特に変化がなく、黄変する前に萎れてしまいます。根に感染するのでなかなか気が付かずに手遅れしまうことも多くあります。

「水をあげすぎない」「水をあげるタイミングは植え込み材が完全に乾いてから」、「受け皿に溜まる水は毎回捨てる」といった点を気をつけるだけで予防することができます。

まとめ

胡蝶蘭の黒い斑点やその他の病気について解説しました。

胡蝶蘭にかかる病気は少し対応が遅れると致命的なダメージを受けてしまいます。

病気が疑われる際は、早めの対処をしてあげましょう。