胡蝶蘭の季節ごとの管理方法や花が咲くまでのサイクルを解説!

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お祝いなどの贈り物として人気な胡蝶蘭。

通年を通して立派に花が咲いた胡蝶蘭を購入することができますが、洋蘭園の方々のきちんとした生育によって通年を通しての購入が可能となっています。

では、本来の胡蝶蘭の花が咲く季節とはいつになるのでしょうか?
この記事で胡蝶蘭が花を咲かせるまでのサイクルや季節ごとの管理方法について見ていきましょう。

1.胡蝶蘭の花が咲くまでのサイクル

1-1.本来、花が咲く季節は春(4.5月)

日本の環境下にある胡蝶蘭は、春に花を咲かせ、夏に株を生長させ、秋に花芽をつくり、冬に休止状態となり、春にまた花芽を伸ばして花を咲かせる、このようなサイクルとなっています。

なぜこのようなサイクルで胡蝶蘭は生長や開花を繰り返しているかというと、「温度」が影響するためです。

1-2.季節ごとの温度に影響される

胡蝶蘭の原産地はフィリピンやインドネシアなどの東南アジアで、いわゆる高温多湿地帯といわれるところです。
そのような場所で育つ花なので日本でも温度が高い夏(1日の平均温度が28℃以上)は、根を伸ばし、新しい葉をつくり、株がどんどん成長していきます。

充実した株になればなるほど花が咲きやすく、輪数も増えるため、夏の暑い時期に胡蝶蘭は株を大きくします。

温度が低い冬(1日の平均温度が10℃以下)は、休止状態になります。もともと高温多湿地帯に自生する胡蝶蘭にとって、日本の寒さはつらいのです。花を落とし活動を休止して、ぐっと耐え忍ぶ時期です。

この2つの季節の間に秋があります。胡蝶蘭は秋に花芽分化(※)を起こします。暑かった夏が徐々に涼しくなっていき、1日の平均温度が21℃位(最低温度が18℃)の環境になると花芽をつくり始めますこの環境に30日程度置かれることで、花芽が目視で確認できるほどに生長しています。

室内で育てている胡蝶蘭にとって、日本ではこの花芽をつくる季節が、秋の10,11月あたりになり、その後寒さで休止状態に入ったあと、また春の3,4月あたり花芽を生長させ開花するのです。

※ 花芽分化(はなめぶんか)とは、植物は発芽後、葉や根を大きく生長させるのですが、やがて生殖のためにそれをやめ、花になるための芽をつくることになります。この顕微鏡でなければ見えないような花芽をつくることを花芽分化といいます。

1-3.温度で開花を調整できる

温度によって開花までのサイクルが決まっているということは、温度さえ調節してあげれば開花の時期を調整することができます。1年を通して胡蝶蘭を購入できるのは生産者の方の腕によって温度調整がしっかりされた環境で管理されているためです。

秋から春の最低温度を上手くコントロールすることができれば、2月~7月の間に花を楽しむことができます。(それ以外の時期に花を楽しみたいのであれば、温室や保温設備で一年中温度管理をする必要があります。)
つまり、好きな時期に開花調整をするには、株がどんな場所に置かれるか、その温度を調整してあげればいいのです。

過湿し最低温度を保っておけば、株は生長し続け花芽分化が起こりません。
逆に咲かせたい場合は、咲かせたい時期の4,5ヵ月前に最低温度を1日の平均温度が21℃位(最低温度が18℃)にして花芽分化を起こさせます。

このように管理する温度によって、調整できます。

2.季節ごとの胡蝶蘭の基本的な管理方法

一般的に、胡蝶蘭の季節によっての管理方法を月ごとに見ていきたいと思います。

 

・1月、2月

胡蝶蘭の花芽が伸びてきて花を咲かせるか、まだ少し休んでいる季節です。花の状態によって変わってきますが、水やりの頻度を控えめ(20日に1度ほど)にして、温度も18度を下回らないようにして様子をみます。乾燥もしやすいので、葉っぱに霧吹きをするのを忘れないようにします。

・3月、4月、5月

花が咲いてくる季節です。水やりの頻度は冬よりは少し増えてきます。水苔を手で触ってみて、完全に乾いてるなと感じたら水をあげるようにするだけで十分です。水の頻度が増えすぎると、花が咲いている期間が少なくなってしまいます。霧吹きで葉水をします。

・6月、7月、8月

花が咲き終わったら、茎を根元から切ります。ここから栄養を蓄えるモードに入ってきますので、肥料を薄めたものをあげるようにしても大丈夫です。土が乾くのも早くなってきて、水やりの頻度が一年で一番多いときともいえます。

また、花が終わった5月から7月頃は植え替えのチャンスの季節です。このときに植え替えをしてあげます。

・9月、10月

切った茎から芽が生えてきて成長していく季節です。

長くなって来たら支柱を使って支えてあげます。

・11月、12月

寒くなってきているので、胡蝶蘭も少しお休みしている季節です。土の渇きが遅くなり、ものによっては水やりも2週間に一回でも十分な頻度になります。土が乾いてから一日二日おいてから水やりをするようにすると丁度良い頻度といえます。

3.胡蝶蘭が一番苦手な季節

胡蝶蘭の一番苦手な季節は気温が下がり乾燥してくる「冬」です。

高温多湿地帯で自生する花なので、寒く乾燥した環境にさらされてしまうとしおれたり、枯れる原因となってしまうのでこの2点は特に気をつけましょう。

乾燥は胡蝶蘭の敵ですが、水をあげる頻度が多かったり、量がおおいのまた「根腐れ」の原因となってしまうので良くありません。冬に葉にツヤがないと感じる場合は直接水をあげるのではなく、霧吹きで葉水しましょう。

4.胡蝶蘭を贈る季節やタイミング

胡蝶蘭を贈る季節やタイミングについてですが、胡蝶蘭は通年販売されているのでいつでも大丈夫です。
それぞれがお祝いのタイミングで贈るといいでしょう。

お祝いで胡蝶蘭を贈るときは、タイミングを逃さないためには、早めの手配を心がけることが一番です。贈るべき日時の前日に準備をしたのでは、手配が間に合わない可能性があります。

開店祝いや就任祝い、誕生日祝いなどは贈る相手によって時期が決まっていないためなんとも言えませんが、例えば母の日や敬老の日、バレンタイン、入学祝いなど、贈り物が集中しやすい時期は特に注意が必要です。

早めの手配をしてしておけば間違いないです。

まとめ

胡蝶蘭の花が咲くまでのサイクルや季節ごとでの基本的な管理方法などを見てきましたがいかがでしたでしょうか?

胡蝶蘭は寿命が約50もあるというとても長寿な花です。
季節ごとの適切な温度管理できれいな花を長い期間楽しんでみてはいかがでしょうか?