開店祝いや開業祝いなどお祝い事の贈り物として人気の胡蝶蘭。
プレゼントとしてお渡しする際に、胡蝶蘭の雑学などについて知っていれば会話も弾むかもしれません。
この記事では胡蝶蘭の雑学などについて紹介します。
1.胡蝶蘭の歴史と名前の由来
1-1.胡蝶蘭発見の歴史
歴史上の胡蝶蘭の発見は、今より約200年前の19世紀、1800年代の後半に熱帯の東南アジアで胡蝶蘭の原種が発見されました。
胡蝶蘭が見つかった背景としては、当時のヨーロッパでの蘭の大ブームが関係しています。
ブームのきっかけとなったのは、南米から偶然イギリスに持ち込まれた「カトレア」と呼ばれる蘭。
このカトレアが王侯貴族や富裕階級の人々を虜にした結果、富裕階級の人々はまだ見たこともないような蘭を求め、「オーキッドハンター(蘭専門のハンター)」と呼ばれる人々を高額で雇い、世界各地に派遣させました。
そして胡蝶蘭の原種が東南アジアの熱帯ジャングルで発見されることとなります。
1-2.「ファレノプシス」という学名と「胡蝶蘭」の由来
いまでは白色のイメージが強い胡蝶蘭ですが、発見された胡蝶蘭の原種の花はほとんどが茶色く、羽を広げた蛾のように見えることからギリシャ語で「蛾のような」を意味する「ファレノプシス」という学名が付けられました。
今のような見た目になったのは原種の中で1割ほどであった白い胡蝶蘭の品種改良の結果、綺麗な白や様々な色の胡蝶蘭ができています。
イギリスから初めて日本に胡蝶蘭が入ってきたのは、明治時代と言われています。日本に入ってきた頃には、品種改良が進んでおり、いまのように蝶のような美しい見た目から、胡蝶蘭と名付けられました。
2.胡蝶蘭の花言葉
胡蝶蘭には日本では「幸福が飛んでくる」、「純粋な愛」。海外では「beauty(美)」「refinement(上品・優雅)」「love(愛)」「luxury(高級・豪華さ)」という花言葉があります。
また、色によっても花言葉があり、白色の胡蝶蘭は「清純」。ピンク色の胡蝶蘭には「あなたを愛しています」という花言葉があります。
胡蝶蘭は他にもリップや黄色、青色などがありますが、花言葉のある色は白色とピンク色のみです。
3.他のお花と比べて値段が高い理由
胡蝶蘭が他のお花と比べて値段が高い理由は、胡蝶蘭の原生場所と日本との環境の違いにあります。
胡蝶蘭は東南アジアなどの熱帯雨林が原生地で、基本は暖かく湿度の高い環境です。
日本には四季があり、特に冬は気温と湿度が低く、本来胡蝶蘭が原生している場所とは真逆の環境となっています。
そのため、胡蝶蘭を栽培するためには適した環境にするための設備などが必須になります。また、胡蝶蘭を栽培するのに半年ほどかかるので他のお花と比べて値段が高くなるのです。
4.胡蝶蘭は二度咲きするお花
胡蝶蘭は一度咲いたら終わりの花とは違い、きちんと管理をすれば二度目以降も花を咲かせ楽しむことができます。
その寿命はなんと50年ととても長寿な多年生植物です。
胡蝶蘭の花が散ったあと、次の花を咲かせるために必要なステップは次の4点です。
・胡蝶蘭を剪定する
・一株ずつ新しい鉢に植え替え
・日当たり/温度面で胡蝶蘭が育ちやすい環境に置く
・水やりなど、定期的な管理
この4点を守ることで胡蝶蘭は二度目以降も花を咲かせることができます。
胡蝶蘭の二度咲きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
5.胡蝶蘭は土で育てることはできない
胡蝶蘭は着生植物といって、土の中に根を張らず、大きな岩や木に寄生するようなかたちでくっつき、空気中に根を伸ばしていく植物です。
ですので、自宅で生育する場合も土に植えるということはないです。鉢で生育する場合、水苔やバーク(木のチップ)といった植え込み材を使うのが一般的。
胡蝶蘭は空気中からも水分や養分を吸収する習性があり、少ない水分や栄養だけでも生きていけると言われています。
このため胡蝶蘭は、気温15~25度、空気中の湿度は60~80%の環境を好み、温度が低いことと、乾燥に非常に弱いです。
まとめ
胡蝶蘭の雑学について紹介しました。
胡蝶蘭の発見から名前がつくまでの歴史、胡蝶蘭の花言葉や二度咲きなどの雑学を紹介しました。
胡蝶蘭は他のお花と比べても、贈り物としてよく用いられるので、胡蝶蘭の雑学を知っておくといつか話しのネタになるかもしれません。
その際はぜひ参考にしてみてください。
カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください