開店祝いや贈り物として定番の胡蝶蘭。
手入れが簡単で意外と長寿なのも贈り物として人気の理由でもあります。
この記事では意外と知られていない胡蝶蘭の寿命や長く胡蝶蘭をたのしむ
1.胡蝶蘭の寿命はどのくらい?
1-1.胡蝶蘭のお花の寿命
胡蝶蘭がお花を咲かせてから散るまで1ヶ月以上の期間楽しむことができます。
花や環境によって開花時期がずれる場合、開花から最後の花が散るまで3ヶ月以上に渡って楽しめる場合も。
また、夏場は比較的お花が散るのが早く、春と秋は日持ちしやすいとも言われています。
ただ、胡蝶蘭は花が散ってしまったとしてもお花自体の寿命を迎えたわけではありません。
胡蝶蘭はとても長寿なお花なため、根腐れしたり病気にかかったりしない限り何回でもお花を咲かせることができます。
1-2.胡蝶蘭自体の寿命
胡蝶蘭はとても長寿なお花でその寿命は50年以上もあると言われています。
ただ、一般に販売されているような鉢植えの胡蝶蘭は購入後10年ほどが目安とされています。
長寿なお花であることは間違いないので、生育環境を整えてあげることで長く楽しむことができます。
2.胡蝶蘭を日持ちさせるためのポイント
2-1.置き場所に気をつける
胡蝶蘭の置き場所での理想は、室内で風通しがよくレース越しに陽の光が当たる環境が理想です。
ただ、冬場の夜などは窓際は胡蝶蘭にとっては寒すぎるため、冬場の夜は窓際から離してあげましょう。
胡蝶蘭の置き場所で気をつけたいのは「直射日光」と「エアコンの風」です。
胡蝶蘭は直射日光に当たると「葉焼け」という病気になり、枯れてしまいますので直射日光が当たらないようにレース越しに日が当たるようにしましょう。
また、エアコンの風は胡蝶蘭を乾燥させてしまい、よくありません。
2-2.温度管理は低すぎず、高すぎず
胡蝶蘭にとってちょうどいい温度は15度~25度といわれています。
基本的に人が快適だと思う温度と大きな差はないので、温度管理はそこまで難しくはありません。
冬の夜はやはり冷えるため温度管理にすこし気を遣う必要があります。
冬の寒い時期はダンボールなどで囲ったりして暖かくしてあげましょう。
2-3.水やりは完全に植え込み材が乾いてから
普通の花のような頻度で胡蝶蘭に水を与えてはいけません
胡蝶蘭に水をあげすぎてしまうと、「根腐れ」という病気を引き起こし逆に枯れる原因となってしまいます。
胡蝶蘭の根は比較的乾燥には強いため、バークや水苔などの植え込み材を手で触ってみて、完全に乾いてから水をあげるようにしましょう。
日にち的感覚でいうと季節にもよりますが、1週間~10日に1度の頻度で問題ありません。
2-4.もらった後のラッピングは外す
胡蝶蘭はプレゼントとして貰う機会が多いかと思います。
ラッピングがついているのは見栄えもいいですが、ついているラッピングは外しましょう。
ラッピングがついたまま置いておくと鉢の中が蒸れてしまい、根腐れの原因となってしまいます。
3.花が散った後は植え替えを
胡蝶蘭の寿命を伸ばすために花が散った後は植え替えを行いましょう。
植え替えの理想的な時期は4月~6月がおすすめです。ただ、根腐れなどで植え替えがすぐに必要な場合などの例外となりますが、植え替えは胡蝶蘭の株の体力をとても消耗するため、夏や冬はあまりおすすめできません
3-1. 胡蝶蘭の植え替えに準備するもの!
ここでは、胡蝶蘭の植え替えに必要なものを紹介します。
実際に植え替えを始める前に、きちんと準備しておくことで、焦らず進めていけますよ!
- 今使っている大きさと同じサイズの鉢
- やや大きめのはさみ
- お花が咲き終わった状態の株
- 植え込みに必要な水苔などの資材
- 胡蝶蘭用の肥料
以上が、胡蝶蘭の植え替えに必要なものです。
鉢のサイズは、基本的に今植えてあるものと同じサイズを用意してください。ただし、株が大きくなりすぎていている胡蝶蘭の場合には、ひと回り大きい鉢を用意しましょう。
これらのアイテムは、ネット通販やお花屋さん、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
しかし、特に植え替えが初めての方は実物を触れないネット通販よりも、お花屋やホームセンターなどでプロのスタッフにアドバイスをもらって購入されるのがおすすめです。
水苔やバークなどの資材、鉢選びのポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
3-2. 胡蝶蘭の植え替えのやり方
ここでは、胡蝶蘭の植え替えの方法を解説します。
そんなに難しい工程はないので、早速見ていきましょう!
- 初めに、胡蝶蘭がウイルスなどに伝染しないように、ハサミの刃先をライターであぶって消毒しておきます。
- 水苔などの植え込み材を、やや多めの量の水で湿らせておく。
- 胡蝶蘭の根を傷つけないよう、ゆっくりと丁寧に株を植え込み材ごと鉢から取り出す。根の周りに付いている植え込み材をすべて取り除きます。この時、新しい根が傷つかないように注意してください。取り除いた植え込み材は捨ててOKです。
- シワがある古い根や、腐っている状態の悪くなった根をハサミでカット。また黄色っぽくくすんでいたり弱っている葉があれば取り除きます。
- あらかじめ湿らせて準備しておいた(2)の植え込み材(水苔)を、根の下側から軽く押し当て、根の周りを植え込み材で覆うようにし、一番下にある根の付け根が隠れるように植え込み材で整えます。
- 植え込み材ごとそのまま用意しておいた新しい鉢に入れます。この時、鉢の底まであまり植え込み材を押し込まないように注意して、鉢のサイド(側面)に植え込み材を密着させるように整えます。
- 最後に株を持ち上げてみて、鉢が外れないかどうか確認します。
以上で胡蝶蘭の植え替えは完了です!
植え替えを始める前にきちんと準備をしておき、一つ一つの工程を丁寧にゆっくりと行っていけば、初めての方でも大丈夫です。
また、基本的に頻繁な植え替えは必要なく、チェックポイントに当てはまった場合や3年程度ごとでOKなので、そんなに身構える必要もありませんよ。
3-3. 植え替え後の処理
胡蝶蘭を無事に植え替えができたら、その後のお手入れもとても大切。なぜなら、植え替え直後の胡蝶蘭は、
- 根が傷んでいる可能性がある
- 胡蝶蘭の株がとても弱っている状態
となっていて、普段の胡蝶蘭よりも、とてもデリケートになってしまっています。
そのため、植え替え後1週間~10日ほどは水やりを控えましょう。ここで水をやりすぎてしまうと、根腐れを起こしてしまいます。初めての水やりは、植え込み材が十分に乾燥したのを確認してから、水受けに溜まらない程度の水をあげるようにしましょう。
また、直射日光は胡蝶蘭にダメージを与えてしまうため、直射日光の当たらない明るくて風通しのよい場所に置きましょう。
このように適切なお手入れをしてあげると、植え替えで弱ってしまった胡蝶蘭も本来の生命力を取り戻し、新しい環境でまたキレイなお花を咲かせてくれますよ!
4.日持ちする胡蝶蘭の選び方
胡蝶蘭をプレゼントする際は、日持ちのする胡蝶蘭を贈りたいですよね。
贈った相手に胡蝶蘭を長く楽しんでもらうためにも、日持ちする胡蝶蘭の選び方を見てみましょう。
4-1.花びらに厚みがある
日持ちのする状態のいい胡蝶蘭は花びらが肉厚で張りがあります。
また、花びらに傷やシワがないかも確認しておきましょう。
4-2.葉につやがある
葉も花びらと同様、肉厚でつやのあるものが日持ちのする状態のいい胡蝶蘭です。
こちらも葉に傷やシワがないかは確認しましょう。
4-3.根の色が全体的に白っぽい
健康的な胡蝶蘭の根は全体的に白っぽい色をしています。
胡蝶蘭の根が黒っぽくなっている場合、根腐れを引き起こしている可能性があるので注意しましょう。
まとめ
胡蝶蘭の日持ちをさせるポイントや日持ちする胡蝶蘭の選び方のポイントを解説しました。
ポイントを守って、きれいな胡蝶蘭を長く楽しんでくださいね。
カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください