通常、購入したりプレゼントなどで頂いた場合、プラスチックのポットの入っている胡蝶蘭ですが、そのような植木鉢などをつかわず、「着生」という方法を用いて胡蝶蘭を育てることができます。
この記事では、着生の魅力や方法について解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
1.「着生」とは?
「着生」とはどのような方法かというと、流木やコルクなどに胡蝶蘭の根をくくりつけて生育する方法のことをいいます。
今ではプラスチックのケースや植木鉢に入っていることが一般的な胡蝶蘭ですが、胡蝶蘭の原種は土壌に根を下ろさず、木に着生して育つ着生植物です。
植木鉢に入れて育てる一般的な生育方法とは違いますが、元が着生植物なのでコルクや流木など、なにかに着生させて育てることは十分可能です。
2.着生の魅力
着生に一番の魅力はハンギング(吊り下げ)ができることです。
コルクや流木の上部に穴を開けて、園芸用の針金を通すことでハンギングができるようになります。
ハンギングは植木鉢にいれたままでは当然不可能なので、ハンギングをして飾りたいという場合には、着生はとてもおすすめです。
加えて着生のもう一つの魅力は、「根の成長がはっきりとわかる」という点です。
コルクや流木に根をくくりつけるので、植木鉢などとは違い、日々胡蝶蘭の根が伸びて成長していくのを見ることができます。
3.着生のやり方と手順
ここからは実際に胡蝶蘭を着生させるために必要なもの、やり方や手順について解説します。
3-1.用意するもの
着生させるために用意するものは以下になります。
・着生させる胡蝶蘭
・コルクや流木
・水苔
・園芸用ハサミ(火で炙って消毒したもの)
・絹穴糸
・針金(ハンギングする場合)
コルクや流木などはamazonや場所によってはお店にも売っています。
出典元:amazon
3-2.着生までの手順
必要なものが用意できたら、つぎは着生までの手順を見てみましょう。
ポットからだして根を整理する
ポットには、植え込み材がたくさん入っているので、まずは根をポットからだして、植え込み材をすべて取り除ききれいにします。
植え込み材を取り除いたあとは、根の状態を確認しましょう。
ブヨブヨになってしまっている根や、カラカラに干からびてしまっている根は、他の健康的な根が育つための邪魔になってしまうため、この段階ですべて消毒したハサミでカットしてしまいましょう。
使うハサミは必ず火で炙って消毒してください。消毒していないと、切り口からバイキンが入り病気になる原因となるので要注意です。
水苔と巻きつける
一通り根をきれいにしたら、根をコルクに水苔と一緒に巻きつけます。
胡蝶蘭をつける位置の下に水苔を薄く敷き、その上に胡蝶蘭を置いたら、上から軽く水苔をかぶせます。
そうしたら株が落ちないように、根と水苔の上から絹穴糸を使ってぐるぐると縛ります。
ポイントは気根から空気を吸わせるために、少しだけ根を出しておきましょう。
針金を通してハンギングで完成
ハンギングをする場合は、コルクの上部に穴を開け、そこに園芸用の針金を通します。
通した針金をネジって先を輪っかにして余分な部分をカットしたら完成です。
まとめ
胡蝶蘭の着生について紹介しました。
着生には普通の育て方とは違った野生に近い魅力があります。
普通の育て方には慣れたという方は、ぜひとも挑戦してみてはいかがでしょうか?
カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください