せっかく育てている胡蝶蘭にやっとつぼみが出てきたと思ったのに、すぐにつぼみが落ちたり枯れてしまうことはありませんか?
病気かな?と疑ってしまいますよね。実は病気のほかにも環境に問題があることもあります。
今回は胡蝶蘭のつぼみが落ちたり枯れてしまう時の原因と対処方法をみていきたいと思います。
1.胡蝶蘭のつぼみが落ちたり枯れる理由とは
胡蝶蘭のつぼみが落ちたり枯れてしまう原因として考えられるのは、病気のほかにも環境があげられます。
この環境を見直すことで、結果として病気の予防にも繋がりますので、胡蝶蘭にとって環境というのはとても大切です。
1-1.重要なのは温度と湿度の管理
胡蝶蘭の原生地は高温多湿地帯です。熱帯地方に多く広がり、南フィリピンを中心に北は台湾までと温かい気候を好みます。実際に胡蝶蘭を家で育てる場合も、18度以上30度未満の温度で管理するのが好ましいとされています。
逆に胡蝶蘭は「寒さ」と「乾燥」が弱点と言われとても弱いです。
胡蝶蘭は7度以下になると凍って枯れてしまいます。日本では特に冬に気温が下がり乾燥して胡蝶蘭の大敵となっていますので、部屋の温度管理や乾燥してたら葉に霧吹きで水をあげるなどしましょう。
胡蝶蘭は季節を感じてお花を出します。胡蝶蘭は18度が何日か続くと花を出す準備を始めます。18度は胡蝶蘭にとって冬と同じです。冬が過ぎれば春になって温かくなることを知っています。そのため、春の温かいときに花を出せるように冬のうちから準備を始めます。
この時に13度以下になってしまうと、成長をやめてしまいます。成長をやめてしまうと、つぼみができたときに落ちてしまうか、つぼみすら出ないこともあります。
特に冬の夜は冷えやすくなりますので、窓際から少し離すなどちょっとした工夫をして温度が低くなりすぎないようにしましょう。
1-2.水のあげすぎはつぼみを落とす原因になる
胡蝶蘭を育てていくうえで温度や湿度以外に重要な要素は「水をあげる量」です。
胡蝶蘭のつぼみがすぐに落ちてしまう原因は、もしかしたら水のあげすぎかもしれません。
天然の胡蝶蘭は木に着生し、濡れたり乾いたりを繰り返しています。ほかの植物よりも水によって根が腐りやすいので注意が必要なのです。
鉢の植え込み材を手で触ってみて完全に乾いているのを確認してから、下に流れるほどの水を与えます。受け皿に残った水も根を腐らせてしまう原因となるのですぐに処分してくださいね。胡蝶蘭は息ができなくなって根腐れを起こして枯れてしまいます。
特につぼみが付いている時期はまだ寒い時期です。寒さと温かさが交互にやってくる時期ですので、水の頻度もそこまで必要としません。きちんと植え込み材が完全に乾いていることを確認して水を与えるようにしてくださいね。
1-3.乾燥していると感じたら霧吹きで水をあげる
「植え込み材はまだ湿っているけど、冬の時期だし葉やつぼみが乾燥しているように感じる」
そのようなときは葉っぱに霧吹きで水をあげましょう。
あげるときは、つぼみにかからないようにして葉っぱの表と裏にたっぷりとかけてあげてくださいね。
できれば一日複数回行うのが理想です。
胡蝶蘭は熱帯雨林に育つ花なのですが、温かさだけでなく湿度も高くなります。胡蝶蘭が快適といわれる湿度は70から80%と言われていますので、特に冬場は乾燥しがちになる日本だと湿度不足が考えられます。
もし乾燥して湿度不足だと胡蝶蘭のつぼみは黄色くなって落ちてしまいます。
できれば湿度を高めるため、加湿器などを使って湿度をあげるようにしてくださいね。
しかしその場合は加湿器の吹き出し口を胡蝶蘭に直接当てないように注意してください。
クーラーや扇風機の風が直接あたるのも胡蝶蘭にはよくありません。胡蝶蘭は息が吸えなくなるだけでなく、表面の水分までも飛ばしてしまいますので直接、風が当たるような場所に置くのは控えましょう。
また、直射日光に当たるのも胡蝶蘭は苦手です。胡蝶蘭はレースのカーテンなどで遮光して下さいね。
2.胡蝶蘭のつぼみが落ちてしまう虫の被害
胡蝶蘭のつぼみは虫によっても落ちてしまいます。胡蝶蘭にとっていつもは無害な虫でも、つぼみに入ると悪影響を及ぼす虫がいます。
それは、「コナダニ」です。いつもはミズゴケにいるのですが、つぼみの中に入ってしまうことがあります。
入ってしまうとつぼみがエチレンガスを出すしが黄色くなって落ちてしまいます。コナダニが入りこんでしまわぬように、モレスタン・ケルセン乳剤・ペンタックなどの殺ダニ剤を前もって使い予防するしか方法はありません。
「アブラムシ」も室内で育てていればあまり発生しませんが、何かの拍子に紛れ込むと爆発的に増えしてしまうことがあります。
胡蝶蘭の養分を吸ってしまいつぼみが落ちてしまう原因になりますので、発見したらすぐにテルスター・オリオン・アドマイヤーなどの薬を使って除去します。
虫は発生してしまうと大変です。葉水をするだけでハダニなどの害虫はつきにくくなるので、乾燥対策とともに葉水をして予防しましょう。
もし薬を使う場合は、気功が閉じている日中に行うようにしてくださいね。
3.急激な温度変化が原因になることも
胡蝶蘭は急激な環境の変化に耐えることができないことがあります。
例えば夏の暑い日に家に戻ってきて、室温が34度あったところにクーラーを入れて1時間もしないうちに26度になるとします。1時間ほどで10度近くも気温が変わることになってしまいます。こういった急激な変化は胡蝶蘭の寿命を縮ませてしまうばかりです。
抵抗力が下がってしまうので、病気になりやすくなったり、株が弱ってしまったりしてしまいます。
昼と夜とで気温差があることは胡蝶蘭にとって自然なことですが、短時間でのクーラーの急激な温度変化に気を付けてあげてください。
胡蝶蘭にとって心地いい環境で暮らせるように、環境を整えてあげてくださいね。
まとめ
胡蝶蘭のつぼみが落ちたり枯れたりしてしまう原因とその環境について紹介しました。
基本的にはこれらの環境を守っていれば胡蝶蘭はすくすくと育っていきます。
つぼみをつけた胡蝶蘭を適切な環境で育て、きれいな花を咲かせてあげましょう。
カシマ洋蘭園のスタッフです。胡蝶蘭のお世話のやり方や贈る際の注意点など、わからないことがあればぜひ参考にしてみてください