特別なイベントやお祝い事に、プレゼントとしていただくことが多い胡蝶蘭。また胡蝶蘭の鉢植えは、インテリアアイテムとしても重宝するので、自宅用に購入する人も多いことでしょう。
適切なお手入れをしていると、長く楽しませてくれる胡蝶蘭ですが、他のお花と同じように植え替えていいのか悩んでしまう方が多いと思います。
そこでこのページでは、胡蝶蘭の植え替えのタイミングを見るチェックポイントや植え替えに必要なもの、植え替えの方法やその後のお手入れなどをわかりやすく解説します!
1. 植え替え時期を判断する4つのチェックポイント
まずは、胡蝶蘭を植え替えるべきタイミングをチェックしておきましょう。胡蝶蘭がどんな状態になったときが植え替えのタイミングなのかを知っておくと、普段のお手入れのときに早く気付くことができます。
胡蝶蘭をより長く元気な状態で楽しむために、ここで紹介するチェックポイントにサインが出ていたときには、早めに植え替えてあげましょう!
1-1. 葉や茎に元気がなくシワがあったり、変色しているとき
植え替える前のチェックポイントの1つめは、葉や茎が元気がなく、色が変色しているとき。特に葉が簡単に落ちたり、葉や茎の色がおかしかったりするときは、病気のサイン!
このまま放っておいてしまうと枯れてしまうので、早めに植え替えて手を打ってあげましょう。
きちんと対応すると、また元気を取り戻してきれいな花を咲かせてくれます。
1-2. 植え込み材にカビや匂いなどの異常があるとき
植え替える前のチェックポイントの2つめは、植え込み材にカビやニオイの異常があるときです。
植え込み材とは、胡蝶蘭を植えるときに使われている水苔やバークなどのこと。この植え込み材の表面に白いカビが生えていたり、カビ臭いなどのにおいがする場合は要注意!植え込み材が腐敗してしまっているので早めの植え替えが必要です。
水やりなどのお手入れのときに、ときどき水苔の様子も確認しておきましょう。
1-3. 3年以上、放ったらかしにしているとき
植え替える前のチェックポイントの3つめは、3年以上の長期間そのままにしているとき。胡蝶蘭は適切なお手入れをしていると、そのままの状態でも長期間持ちます。
しかし、胡蝶蘭を植えてある植え込み材は、時が経つほど少しずつ劣化してしまいます。劣化した状態のままにしておくと、固くなって水はけが悪くなってしまい、根腐れの原因にもなりかねません。
胡蝶蘭が元気だったとしても、3年に1度程度は植え替えてあげましょう。
1-4. 新しい芽が増えてしまっているとき
植え替える前のチェックポイントの4つめは、新しい芽や根が増えているとき。胡蝶蘭はゆっくりですが、どんどん成長していきます。
今植えてある鉢に対して、株が大きくすぎていたり、新しい芽や根が何本も出てきていたりする場合は植え替えてあげましょう。
窮屈そうなときは、ひと回り大きい鉢に植え替えてあげることで、より長く楽しむことができるようになりますよ。
2. 胡蝶蘭の植え替えに準備するもの!
ここでは、胡蝶蘭の植え替えに必要なものを紹介します。
実際に植え替えを始める前に、きちんと準備しておくことで、焦らず進めていけますよ!
- 今使っている大きさと同じサイズの鉢
- やや大きめのはさみ
- お花が咲き終わった状態の株
- 植え込みに必要な水苔などの資材
- 胡蝶蘭用の肥料
以上が、胡蝶蘭の植え替えに必要なものです。
鉢のサイズは、基本的に今植えてあるものと同じサイズを用意してください。ただし、株が大きくなりすぎていている胡蝶蘭の場合には、ひと回り大きい鉢を用意しましょう。
これらのアイテムは、ネット通販やお花屋さん、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
しかし、特に植え替えが初めての方は実物を触れないネット通販よりも、お花屋やホームセンターなどでプロのスタッフにアドバイスをもらって購入されるのがおすすめです。
水苔やバークなどの資材、鉢選びのポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
https://kashima-youran.com/column/phalaenopsis-soil/
https://kashima-youran.com/column/phalaenopsis-bowl/
3. 胡蝶蘭の植え替えのやり方
ここでは、胡蝶蘭の植え替えの方法を解説します。
そんなに難しい工程はないので、早速見ていきましょう!
- 初めに、胡蝶蘭がウイルスなどに伝染しないように、ハサミの刃先をライターであぶって消毒しておきます。
- 水苔などの植え込み材を、やや多めの量の水で湿らせておく。
- 胡蝶蘭の根を傷つけないよう、ゆっくりと丁寧に株を植え込み材ごと鉢から取り出す。根の周りに付いている植え込み材をすべて取り除きます。この時、新しい根が傷つかないように注意してください。取り除いた植え込み材は捨ててOKです。
- シワがある古い根や、腐っている状態の悪くなった根をハサミでカット。また黄色っぽくくすんでいたり弱っている葉があれば取り除きます。
- あらかじめ湿らせて準備しておいた(2)の植え込み材(水苔)を、根の下側から軽く押し当て、根の周りを植え込み材で覆うようにし、一番下にある根の付け根が隠れるように植え込み材で整えます。
- 植え込み材ごとそのまま用意しておいた新しい鉢に入れます。この時、鉢の底まであまり植え込み材を押し込まないように注意して、鉢のサイド(側面)に植え込み材を密着させるように整えます。
- 最後に株を持ち上げてみて、鉢が外れないかどうか確認します。
以上で胡蝶蘭の植え替えは完了です!
植え替えを始める前にきちんと準備をしておき、一つ一つの工程を丁寧にゆっくりと行っていけば、初めての方でも大丈夫です。
また、基本的に頻繁な植え替えは必要なく、チェックポイントに当てはまった場合や3年程度ごとでOKなので、そんなに身構える必要もありませんよ。
4. 植え替え後の処理
胡蝶蘭を無事に植え替えができたら、その後のお手入れもとても大切。なぜなら、植え替え直後の胡蝶蘭は、
- 根が傷んでいる可能性がある
- 胡蝶蘭の株がとても弱っている状態
となっていて、普段の胡蝶蘭よりも、とてもデリケートになってしまっています。
そのため、植え替え後1週間~10日ほどは水やりを控えましょう。ここで水をやりすぎてしまうと、根腐れを起こしてしまいます。初めての水やりは、植え込み材が十分に乾燥したのを確認してから、水受けに溜まらない程度の水をあげるようにしましょう。
また、直射日光は胡蝶蘭にダメージを与えてしまうため、直射日光の当たらない明るくて風通しのよい場所に置きましょう。
このように適切なお手入れをしてあげると、植え替えで弱ってしまった胡蝶蘭も本来の生命力を取り戻し、新しい環境でまたキレイなお花を咲かせてくれますよ!
まとめ
胡蝶蘭の鉢内は、年月の経過とともにその環境がどんどん変わっていくもの。
だからこそ、胡蝶蘭の植え替えは、いつまでも長く美しさを維持し楽しむための必要なステップとなります。
しかし、植え替えは頻繁に行うと逆に胡蝶蘭に負担がかかってしまうため、今回紹介したチェックポイントを参考に植え替えのタイミングを見極めてみてください。
適切な植え替えで元気な胡蝶蘭を長く楽しみましょう!
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