胡蝶蘭の花芽の付け方や根との見分けかたを解説!

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胡蝶蘭のお花が終わったあと、もうその胡蝶蘭は咲くことがないと思っていませんか?お花が終わったからといって枯れておしまいとは限りません。胡蝶蘭は生命力が強く、寿命の長いお花なのでそう簡単には枯れません。

引き続き、大切にお手入れしてあげることで花芽を付けてくれる可能性があります。花芽が成長すれば、胡蝶蘭の綺麗なお花をもう一度見ることができるかもしれません。

この記事ではきれいな花をもう一度咲かせるうえでは必須となる花芽のつけ方やついた後について紹介します。

1.胡蝶蘭の花芽とは?

1-1.花芽と2度咲き

胡蝶蘭は、成長するに連れて、葉と葉の間の間から花径が出てでて、その先に花を咲かせます。その花径が伸びる前の、葉と葉の間から伸びた、まだ茎とは言えない位の5~6cm程度の長さの状態のものを「花芽」と言います。
花芽は出てくる場所が決まっていて、上から数えて3枚目と4枚目の葉の間から出てきます。

胡蝶蘭は花が散ったら終わりでは無く、このように花芽が出て来たら、次の時期にも開花する「2度咲き」が期待できます。

花芽と根の見分け方

胡蝶蘭は熱帯雨林が原産であり、他の樹に着生して根や葉から水分を吸収しています。

その為、胡蝶蘭の根は普通の植物と違い、上に向かっても生えてきます。これを花芽と間違えるのは無理のないことでしょう。

胡蝶蘭の根は、最初は花芽と同じ緑色をしているのですが。段々と白っぽくなっていきます。そして、先端部分が茶色くなります。
これが、ずっと緑色の花芽との違いです。

根が10~15cm程伸びたら、もう先端は茶色くなってきますので、そこで根だとわかります。
花芽よりは根の方が多く出てきますので、余裕を持ってどちらかを見極めましょう。

 

2.花が終わった後、もう一度花芽をつける方法

2-1.花が落ちたら花茎のカット

お花が全て落ちてから花芽をつけるためにやることとしてまずは剪定、具体的には花茎をカットします。

カットの前に贈答用の胡蝶蘭には株と茎を支えるために支柱がテープで固定されついています。
このテープを手を切らないよう気をつけつつカッターなどで切ったあと、片手で株元を抑えながら株と茎を支えていた支柱を抜いてしまいましょう。

支柱を抜いたあとは、茎をカットします。茎をカットすることで株を休ませ栄養を行き届かせて株の体力を回復させることで、2度咲きにつなげることができます。

胡蝶蘭の株には節がついてます。
その節を根本から数えて3~4節目にあたる節目のすぐ上で斜めに茎をカットしましょう

ただし、連続して花を咲かせると株の力が弱まるので、長く育てたい場合は根元からカットして下さい。

2-2. 一株ずつ新しい鉢に植え替え

贈答用の胡蝶蘭というのは見た目を華やかにするために、いくつかの株が寄せ植えされています。寄せ植えされた状態ですと通気性も悪く、胡蝶蘭が成長しにくくなったり傷んでしまいます。そのため、お花が咲き終わったらひとつの鉢に1株ずつ植え替えをしましょう。
植え替えの時期は、温かい5月~7月頃がベストです。
植え替えをするたびに根が消耗してしまうので植え替えは2年に1度が目安です。


株と根についている古い植え込み材を手で丁寧に取り除き、黒く変色していたりぶよぶよしている傷んだ根があればハサミでカットしましょう。葉も同様に黄色く変色した葉などはこの時に取り除きます。

少し多めの水苔を根に巻き付けるようにつけていきます。水苔の量は、押し込むとやっと新しい鉢に入るぐらいが目安です。

 

植え替えを行ったあとは短くて15〜20日、長くて1か月ほどは水をあげないようにします。これは、株が少しダメージを受けているためで、その回復を待ってから水をあげるようにします。葉のツヤがなくなったころにお水をあげてください。

植え替えに関してはこちらの記事も参考にしてみてください!

 

https://kashima-youran.com/column/replanting/

2-3.適切な環境で育てる

胡蝶蘭にとって最適な温度は18℃といわれています。35℃以上の高温では傷んでしまい、10℃以下になると成長が止まり、株が弱ってしまいます。さらに7℃以下になってしまうと葉が傷み、枯れてしまいます。

18℃をキープするのは難しいかもしれませんが、20度前後を意識して育てれば基本的には大丈夫です。自然に育てた場合、5月頃または9月〜10月頃に花芽が出てくるでしょう。

通常であれば置き場所はレースのカーテン越しなど、十分に光はあたるが直射日光が当たらない場所を選ぶのが基本ですが、花が咲いていないうちは半日陰くらいが理想となっています。

直射日光が当たる場所を胡蝶蘭の管理場所に選んでしまうと、日光による強力な熱と光のダメージを受けて、葉が枯れたり土が乾燥しやすくなって、管理に余計な手間や時間、コストがかかってしまうことがあります

温度や置き場所以外の注意点は、冷暖房の風や扇風機の風は胡蝶蘭には直接当たらないようにしましょう。葉が傷んでしまう原因になってしまいます。

https://kashima-youran.com/column/management-method/

2-4.胡蝶蘭の健康は「葉」で確認

花芽を付けるには株が健康であることが条件ですが、株が元気かどうかは葉を見て判断することができます。

たくさん葉がついている胡蝶蘭ほど健康な証拠です。葉は緑色で色艶がよく、みずみずしいものが健康な状態です。花芽を付けるためには、3枚以上の健康な葉があることが望ましいとされています。

3.花芽がついた後は?

3-1.花芽がついたら肥料をあげよう

花芽が付いたら、洋ラン用の液体肥料を薄めて与えます。肥料を与えすぎると枯れやすくなってしまうので、必ず使用方法を確認しましょう。水やりの代わりになるので、液体肥料を与えている間は水やりはしなくて大丈夫です。

冬などの季節によっては、乾燥して葉にツヤがないと感じたときは霧吹きではに水をかけて潤いをあげましょう。

肥料をあげ終えたあとの定期的な水やりは、鉢の水苔を手で触ってみて完全に乾いていたらコップ1杯(100〜150ml)あげるだけで大丈夫です。水をあげた後に受け皿に水が溜まっている場合は捨てください。

3-2.胡蝶蘭に花芽がたくさん付いたら切った方が良い?

通常、胡蝶蘭の花芽は1つしか付きませんが、環境が良ければ花芽が複数付くこともあります。

また、大輪系よりも小さめのサイズの胡蝶蘭は花芽が複数付きやすいそうです。胡蝶蘭の花芽がたくさん付くのは嬉しいことですが、全ての花芽を育てるのか、1本だけを集中して育てるのかは株が健康かどうかによって決めましょう。

株が元気かどうかは葉をみて判断します。葉に元気がない場合は花芽を1本だけ残し、他の花芽は思い切ってカットしてしまいましょう。

4.花芽がつかないときの対処方法

基本的には「2-3.適切な環境で育てる」にある通り、「温度」「水を上げる量」「日の当たり方」に注意して育てていればいずれ花芽はつきます。

もし長い期間花芽がつかない場合などはどれかが原因の可能性があるので改善してあげましょう。

5.花芽がでなくてもしばらく様子を見よう

基本的には1年に一度お花を咲かせてくれます。咲き終わった胡蝶蘭が翌年に咲いてくれないことはよくあることなのです。

5-1.栄養をためている途中段階の可能性もある

胡蝶蘭が花芽を付けるには健康な葉が3枚以上必要です。

胡蝶蘭は葉に栄養を蓄え、もう一度花芽を付ける準備をします。葉の数が足りていない場合は栄養を蓄えている途中の段階かもしれません。
綺麗な緑色で艶があり、みずみずしい葉であれば、お手入れしながらしばらく様子をみてみましょう。

5-2.枯れているかも?と思ったら根を確認

葉がしおれていて元気がない場合、水分が足りていない可能性があります。水分が足りていないだけなら水分量を見直せばよいのですが、根腐れを起こしていて水分を吸い上げることができなくなっていることも考えられます。

この場合、葉の状態だけでは判断ができないため根の状態を確認しましょう。胡蝶蘭のすべての根が黒く変色し、しおれてしまっている場合は残念ですが完全に枯れてしまっています。

ただし1本でも黒くなっていない緑色の太い根が残っていれば復活する可能性があります。枯れてしまった根を取り除き、新しい鉢に植え替えをしてください。その後しばらく水は与えずに様子をみましょう。

まとめ

花芽についての基本や花芽のつけかたについて紹介しました。

胡蝶蘭は寿命が約50年もある大変長寿なお花です。
きちんとした環境で生育し、花芽をつけさせればおよそ年に1度きれいで立派な花を咲かせることができます。

長寿なお花胡蝶蘭を長い間楽しんでくださいね。