胡蝶蘭をいただく機会があっても、お手入れの方法がわからずにいつも枯らしてしまうという方は多いのではないでしょうか。
胡蝶蘭のお手入れはそれほど難しくなく、適切な方法で育てることができれば、二度咲きするお花です。いくつかのポイントを押さえることで、初心者でも育てることができ、長い間美しい胡蝶蘭を楽しむことができるでしょう。
今回は、胡蝶蘭の基本的なお手入れ方法や季節別のポイント、二度咲きの準備についてご紹介します。
1.胡蝶蘭の基本的なお手入れ
胡蝶蘭は基本的なお手入れを正しく行えば、1ヶ月以上楽しめるお花です。ここでは具体的なお手入れ方法をご紹介します。せっかく胡蝶蘭をいただいたのであれば、正しいお手入れ方法で長く楽しみましょう。
1-1.風通しがよく、カーテンレース越しに日が当たる場所に置く
胡蝶蘭は風通しの良い場所を好みます。 風通しといってもエアコンや扇風機などではなく、自然の風が通る場所を選んでください。その際、日当たりや温度にも注意が必要です。花や葉が焼けてしまわないように、直射日光を避けた場所に置きましょう。
胡蝶蘭は適度に明るい環境が理想的なため、特にカーテンレース越しに置くことがおすすめです。ただし、場所や時間帯によっては別の角度から日光が当たる可能性もあります。その点も考慮して、置き場所は慎重に選ぶことが重要です。
1-2.胡蝶蘭の水やりのポイント
胡蝶蘭は頻繁に水やりをする必要がありません。逆に水やりの量や回数が多いと弱ってしまうため注意してください。胡蝶蘭の特徴としては補給できる水分量が多いこと、空気中からも水分を取り込むことができることなどが挙げられます。
そのため、毎日水やりを行う必要はないのです。適切な水やりを行えば胡蝶蘭を長い期間楽しむことができます。胡蝶蘭を長持ちさせる水やりのポイントは次の3つです。
水をあげる前に水苔やバークチップが乾いているか確認
水をあげる前に、植え込み材を手で触ってみて完全に乾いているかどうかを確認します。水苔やバークチップなどに湿り気がほとんどなく、乾いているようであれば水やりのタイミングです。
乾燥のスピードは、胡蝶蘭を置いている場所や季節によっても異なります。前回の水やりから2~4日ほどで乾燥しているかどうか、一度確認してみると良いでしょう。乾燥していないのに水をあげてしまうと、根腐れの原因となります。特に冬場の気温が低い時期には根が弱りやすいため、注意して確認することが大切です。
水やりの頻度は1週間〜10日に1度
水やりの頻度は1週間~10日に1度ほどで構いません。鉢の中の乾燥具合を確認できたら、できるだけ午前中に水やりをしてください。なぜなら、気温が下がる夜になると水を吸い上げにくくなるからです。
冷たい水にも弱いため、冬場は20℃前後の少し温かい水を与えると良いでしょう。また、鉢全体に水が行き届くように、満遍なく水やりをすることもポイントのひとつです。
鉢皿にたまった水は必ず捨てる
鉢皿にたまった水をそのままにしておくと、根腐れの原因になります。鉢皿に水がたまったら必ず捨てるようにしましょう。
胡蝶蘭の根は通気性が必要なため、特に夏場は蒸れやすくなってしまいます。蒸れてしまうとカビの発生につながる可能性があるため注意が必要です。
鉢皿にたまった水は胡蝶蘭の寿命を縮めてしまうため、よく確認するようにしてください。
乾燥しているときは葉や花に霧水をかける
葉や花が乾燥しているときは、霧吹きで水を与えることも大切です。特に冬場は空気が乾燥しているだけでなく、適切な温度の置き場が見つからないこともあります。このような場合は霧水で補うことで、葉や花に元気を与えることができます。
ただし、たくさん霧吹きをしてしまうと、根本に長い時間水がたまってしまい、株全体を弱めてしまう原因になります。梅雨の時期なども葉の芯などに水がたまっている場合は、柔らかい布で吸い取るなどのお手入れをするとよいでしょう。
2.【季節別】胡蝶蘭のお手入れのポイント
2-1.春の胡蝶蘭のお手入れ
春の胡蝶蘭は、植え替えをするタイミングを逃がさないことが大切なポイントになります。
胡蝶蘭は、2年に1回、5月が植え替えに適した時期とされているので、この時期に管理・お手入れをしておくと、その後の胡蝶蘭の生育が良くなりますよ。
2-2.夏の胡蝶蘭のお手入れ
5月に植え替えをした胡蝶蘭は、6月になったらラン用の液肥を補うことが管理方法の基本ステップとなります。
6月の梅雨入りでは、多湿の状態になるため、できるだけ湿気の少ない室内に胡蝶蘭を管理するようにしましょう。
6月半ばごろから気温が上がると、胡蝶蘭の成長が早くなるため、葉や根、土が乾燥していないかどうかチェックします。
夏場は冷房のを使う機会が多くなるため、冷風が胡蝶蘭に当たらないよう、適切な温度のをキープした室内で管理するようにしましょう。
2-3.秋の胡蝶蘭のお手入れ
温かさと涼しさが混ざり合う秋は、胡蝶蘭にとっても過ごしやすい時期になっています。
春や夏に比べると、秋に購入した胡蝶蘭は比較的お手入れが手軽になっていますが、日照時間が短くなるため、夏からの変化に気を付けて管理をするようにしましょう。
冬に近づく秋の時期は、お部屋の湿度のバランスが難しくなるため、空気が乾燥しやすく、温度も一緒に低下するので、株が湿り具合を都度確認してくださいね。
2-4.冬の胡蝶蘭のお手入れ
胡蝶蘭にとってもっとも厳しい環境となる冬は、20日に1回程度の水やりにおさめるようにしましょう。
もし、20日が過ぎても土に湿り気がある場合は、もう少しスパンを長めにとって、適量の水やりをすることがポイントです。
冬での胡蝶蘭の扱いについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
3.胡蝶蘭のお花が終わった後は
適切な水やりや置き場所であれば、胡蝶蘭は1ヶ月以上も楽しむことができます。しかし、胡蝶蘭はこの一度だけではありません。さらに、二度、三度と楽しむことができるのです。
頂いた胡蝶蘭の全てのお花が咲き終わったら、次は二度咲きの準備をしましょう。胡蝶蘭は準備をしっかりすることで、また綺麗なお花を咲かせることができます。二度咲きさせる準備は次の2つです。
- 花茎を3~4節ほど残して切り取る
- 鉢に植え替えをする
まずは、花を咲かせる脇芽を出すために、花茎を3~4節ほど残して切り取ります。そうすると、その下から脇目が伸びてもう一度花を咲かせる可能性があるのです。咲き終わったら、時間が経って枯れ始める前に切るようにしてください。
環境や水やりの配慮があってこそもう一度咲かせることができるため、二度咲きはそう簡単なことではありません。
また、美しい花を咲かせるためのポイントとして、切り取る時期は5月頃がおすすめです。暖かくなるにつれて力が蓄えられていくお花なので、春にカットをしておくことで2度咲きしやすくなります。
それから、脇芽が出た後は鉢の植え替えを行いましょう。鉢に入った胡蝶蘭は一般的に寄せ植えしていることが多いため、1株ずつ取り出して分けておきます。二度咲きでは株の負担を軽減してストレスを与えないように注意することが重要です。そして、一度目と同様に置き場所や水やりに気をつけて管理していきましょう。
まとめ
胡蝶蘭は、基本的な育て方やポイントをしっかりと押さえておけばそう難しくはありません。一度花が落ちてしまっても二度や三度も咲く胡蝶蘭は、長い期間成長を楽しむことができるお花です。基本的なお手入れや植え替えをして、胡蝶蘭の気品さや美しさを長く楽しみまょう。